ひきこもり女学生の脳内断面図
さっきのジローのことが頭から離れず、青い顔で授業を受ける。
いどころのない気まずさと、申し訳さなが入り混じった頭の中は、めちゃくちゃだ。
「大丈夫?顔色悪いみたいだけど・・・」
そんな私の様子に気づいた加藤先生は、私の顔を覗き込んだ。
ふいに視界に現れた加藤先生の顔に、ときめきそうになるが。
「・・・ダイジョウブデス。ナンデモアリマセン」
「具合悪かったら言ってね」
片言日本語で答えるほかなかった。
恋する乙女には、火傷レベルの事件だったのだから。
思い返せば、いつだってそうだった。チャンスは到来するものの、タイミングが悪いということが何度もあった気がする。
遠ざかる加藤先生の背中。追いかけようとする私の足に絡みつく、おかしな出来事。
愛しの授業は、こうして毎回余計なシチュエーションのおかげで崩れていくのだ。
結局神様は、私と加藤先生の恋を邪魔しているらしい。