ひきこもり女学生の脳内断面図
すぐさまホットケーキミックスをとらえた私の目は、ニンマリとゆるんだ。
よし、家に帰ってすぐに作ろう。
そのまま一番安いホットケーキミックスを手に取り、すぐにレジへ向かおうとした私の背後に、影。
そんな影の存在にすら気付かない私は、勢いよく振り返る。
「わわっ!」
「あ・・・」
勢いよく振り返りすぎて、私は後ろにいた人にぶつかりそうになって思わず声を上げた。
「す、すみません。よそ見しちゃっ・・・て?」
改めてその人物の顔を見た私の語尾に、見事なクエスチョンマーク。
これは現実なのか。そうだとすれば、こんな時間に授業をほっぽって何をしていると言うのか。
そこには仕事着姿の加藤先生が、困ったように笑いながら立っていたのだ。
驚きのあまり餌を求める金魚のごとく、私は口をパクパクさせていた。