ひきこもり女学生の脳内断面図
そのわずか数秒後、店内放送で「レジを手伝ってくれ」と流れたかと思うと、彼はそのままレジへ向かってしまった。
私はぼんやりと会計を済ませて、来た時と同じガラス戸を押して、街へ出る。
晴れ渡った昼間の青空は、癒されるくらいやわらかい水色。
そうして私の心もあの空と同じように、やわらかいを通り越して、ぐんにゃりと溶けきっていた。
そんな私の心を占拠しているのは、先ほどの流れでわかるであろうスーパーの店員さんの笑顔。
加藤先生が大学生だった頃も、あんな感じだったのだろうか。
仕事着の加藤先生も、あんなにかっこいいのか。
妄想で1トンほどの重りが入っているかのような頭を抱え、私はのろのろと商店街を歩いて行った。
見慣れた風景がなぜか、輝いて見えた気がする。