ひきこもり女学生の脳内断面図
それにしても・・・
カシャカシャカシャ、一人しかいない室内に響く、ゴムべらの音。
卵と牛乳とホットケーキミックスをゴムべらでかき混ぜる私は、考えていた。
それにしても、彼はなれなれしすぎないか。
大きく首を横に倒した私は、珍しく頭の中は疑問だらけだった。
一通りかき混ぜ終えると、フライパンに火をかける。
油をひいて、生地を流し込んで。
ジュワッと音を立てながら、まあるいホットケーキの生地がフライパンの上で焼き上がっていく。
「コラコラあんたは食べられないでしょ。あっち行ってひなたぼっこでもしてな」
その甘い香りにつられて、飼い猫がキッチンに顔をのぞかせるが、手で追い払う。
ふつふつと小さな泡を作るホットケーキの生地を見つめながら、私はあるひとつの疑惑にたどり着いた。
彼は、本当に初めて会う人物なのか?