ひきこもり女学生の脳内断面図








彼の私を見つめるまなざしは、どこか覚えがあるような気がした。







もちろん加藤先生とは別人だし、あんな人にもし出会ったことがあるなら、とっくに気づいているはずだ。







彼に会うのは、初めてかもしれない。








ということは彼が「誰かに似ている」という可能性が高い。








思い出そうとするが、今までにあの人に似たような人に出会ったことなどあっただろうか。







今は考えてもらちが明かない。







私は出来上がったホットケーキをポンとお皿に乗せると、そのままリビングで腹を満たした。








メープルシロップをたくさんかけた、ほかほかのホットケーキほどうまいものはない。










そのほかほか具合とメープルシロップの甘さは、まるで加藤先生のほほ笑みを思い浮かばせる。








何をしているときも、加藤先生がそばにいるのだ。




























< 58 / 303 >

この作品をシェア

pagetop