ひきこもり女学生の脳内断面図
いつもの教室が、今日だけは何かの試験会場のように緊張感を張り詰めている気がする。
自分の試みは、果たしてうまくいくのだろうか。
ここまで来るともはや、なんのために予備校に通っているのかさえ分からない。
いつも通りのA教室で、彼の麗しい足音を待つのは、何とも言えない至福のひと時。
以前先生の座っている椅子に頬ずりをしようと思ったことがあったが、さすがの私もそのときは自制のブレーキがかかったのを覚えている。
遠くから、そっとだ。そっと見つめているだけでいいのだ。
私の恋にとっては、それがエッセンスだ。バカげた奇天烈高校生は、おとなしくしていないとぼろが出るのは目に見えている。
そうして私は桃色ハートを胸の奥の奥に押し込んだまま、先生を待った。