ひきこもり女学生の脳内断面図
「・・・!!」
私はマネキン人形のごとく、顔が張り付いたまま動かない。
顔どころか頭のてっぺんからつま先まで、ふつふつふつふつ熱が湧いてくる。熱すぎるせいで手のひらにじっとりと握る汗。
今ここで、何が起こったと言うのか。
「ん、どうかした?あれ顔赤いな、大丈夫?」
先生に言われて、自分でも気付かないほど赤くなっていることに気づいた。
実際に恋で顔を赤らめたのは、これが初めてである。
「あ、いや・・・なんでもないです」
「本当に大丈夫?無理だったらすぐに声かけてよ、倒れてからじゃ遅いからね」
先生は何もなかったかのように、すぐにメガネを元に戻す。
内心では「うおおおお!」と叫んでいる私。それでも例のごとく気にしないふりはお約束だ。
本当に本当に一瞬の出来事だったが、私は確かに見た。
先生の、素顔を。