ひきこもり女学生の脳内断面図
いつもの鈍行列車から覗く、枯れ葉も落ちて禿げた雑木林。
真冬のカラカラの空気で張り詰めたような夜の車窓に、目もくれない私。
ああ、どうしよう。
珍しく電車内でもそわそわと落ち着かない私。
いつもならのんびりと車窓を眺めながら「加藤先生、あなたのことが知りたいんです」作戦の報告会を、一人脳内で交わすところなのだが。
今日平常心を保つことは、そうそう許されることではない。証拠に、バクバクと心臓は激しく打っている。
加藤先生の、素顔。
今私を悩ませているのは、メガネを外した先生の顔の素敵さだった。
あの瞳、メガネを外せばよりはっきり輝くきらめき度。
その男前さは、ルールに従うどころか大幅に破っての反則だ。