優しい嘘つき
すると、完全に場違いなオーラをだしている人物が教室にやってきた。

――――誠だ。

「唯衣~!ってあれ?なんだこの空気。」

(何でこんな時に…)


みんなの視線があたし達に注がれる。

恐る恐る悠ちゃんを見ると、悠ちゃんもあたしの方を見ていた。

(あ…)

その後突然大きな音を立てて立ち上がり、出ていってしまった。

あたしは急いで誠の所へ行った。

「どうしたの?」

「あぁ。あのプレゼント妹がすごく喜んでたから、一緒に選んでくれた唯衣にお礼言おうと思ってな!」

「そうなんだ!良かったね!」

あたし達が話していると

―――グイッ

「わっ!」

いきなり肩を寄せられて、ビックリしていると

「こいつ今から用事あるんだ~。ごめんねぇ?」

(…この声は!)

その声の主を見ると…悠ちゃんだった。

「分かった。ごめんな、じゃあまた」

と言って誠は教室に帰って行った。

「悠ちゃん、用事って何?」

疑問に思って悠ちゃんに聞くと

「先生が日直だからプリント配れって。てか、その呼び方やめろよ」

それだけ言うと、悠ちゃんはスタスタと歩いて行く。

(びっくりした~。顔熱いし///)

あたしは熱くなった頬を押さえながら、先生の所へ向かった。
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