彼のぽけっと
「もしかして、もう彼氏持ち?」

「まさかっ!いないよ。だって受験でそれどころじゃなかったじゃん。」
いや。ごめんなさい。
本当は推薦入学が決まっていて、後半はだらだらすごしてました。

「携帯もたないの?」

めぐみが、顔をのぞき込む。いったい携帯の何がそんなに重要なんだろうか。
「うーん。ほしいなとはおもうよ。彼氏がほしいとかは抜きにしても。」
うそではない。現に先ほど買おうかと口にしていたし。
「じゃぁさ!めぐが登録第一号予約ね!」
またひとなつっこい笑顔を私に向ける。
「うん。わかった。あのねめぐちゃんって呼んでいい?」

かなりの勇気。

がんばった私。かなり自分的に積極的だ。

しかし、「えー!」とゆう彼女の甲高い声が教室に響いた。

あっごめんなさい。調子に乗りました。即反省します。

「ちゃん付けで呼ばれるのくすぐったいから、めぐでいいよー。よろしくね藤崎。」

あっ私のことは名字で呼ぶんだ。なんだか複雑。
それより問題発生。
少し気が大きくなっていた私は、現実を考える。
母子家庭であるミユは三人姉妹。決して裕福ではなく、お小遣いももらったことはない。
そんな自分が携帯電話などもてるはずはないのだ…
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