桜
2.始まり
1.エピローグ
「おい!カズ!はやくこっちこいよ!」
「ちょ、まてって!!!」
俺の吐く息は白く曇り、普段はそれなりに色のついている景色も、今日はすべてが白く彩られていた。
町には二人で暖めあうカップルがあふれかえり、独り身のひがみがあちらこちらできこえている。
もちろん、俺も後者であり、カップルの間をわざわざとおり、無駄に引き裂く遊びをするためだけに、バンドメンバーのノリと町にでてきたのである。
我ながら、アホだとおもう。
何組かカップルの間をとおってるうちにむなしくなってきた俺たちは近所のファミレスにはいり、バンド会議をすることにした。
もうすぐクリスマス。
世間は愛のムードで一色だが、俺たちのクリスマスは音楽一色。
ライブをひかえているのである。