ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~
俺は、いつもより念入りに体を洗って、風呂を出た。
スウェットを着て部屋に行くと、ちょうどナツも片付けを済ませたところみたいだった。
「あ、旬。出た?」
ナツは台所から部屋に顔を出して俺に言った。
「ドライヤー、そこに置いておいたから使ってね」
「あ、うん。ありがと」
「じゃ、あたしも入っちゃうね」
そう言って、ナツは部屋の端にあるチェストから、パジャマと下着らしきものを出して、風呂場へ行った。
ナツって寝る時、パジャマ派なんだ……
パンツとか、ブラジャーは下から二番目か……
ちょっと引き出しを開けてみたい衝動に駆られたけど、そこまでしたら変態だし(否定はしないけど)やめておいた。
俺はナツが用意しておいてくれたドライヤーで、軽く頭を乾かす。
あ、そうだ。
肝心なことを思い出し、俺はドライヤーを止めて、持ってきた鞄をあさる。
中から出したのは、コンビニの袋。
さらにその中から取り出したのは、箱入りのコンドーム。
ナツとの待ち合わせの前にコンビニに行ったのは、これを買うためだ。
それで近くの棚に歯ブラシがあったから、ついでに買ったというわけだ。
俺は箱を開けて、考える。
何枚いるか……
ちなみにこの箱は十枚入りだ。
何枚必要になるか、まだ分からない。
俺的には何回でも大丈夫な気はするけど、さすがに十回もしないだろうし……
二、三回ぐらいか?いや、でももしかしたら四回かも……
考えても分からないから、俺はとりあえず五枚を、枕の下に入れておいた。
あとは、ティッシュとゴミ箱を、さりげなくベッドに近づけておく。
よし! こんなもんかな。
俺は、床の準備が整ったことに、一人頷いて満足する。