ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~


「……っ!」

 甘くて細い声がして、ナツの腰が浮いた。

 それと同時に、指を埋めた場所が収縮した。


 ナツが、果てたみたいだ。


「ナツ……」

 俺は指を引き抜き、ゆっくりと体を起こして、ナツの顔を見た。


 ナツは、目をつぶり、眉間に皺を寄せ、肩で息をしている。

 うっすらと汗をかいて、おでこに髪がはりついていた。


「ナツ……」

 そのナツの姿がきれいで、俺は吸い寄せられるようにナツの唇にキスをした。


「ん……」

 ナツの腕が俺の背中に回った。


 舌の絡まる音だけが部屋に響いた。


 それだけで、俺の気持ちは高ぶっていく。


「ナツ……いい?」


 唇を離してそう聞くと、ナツは小さく頷いた。


 俺は、枕の下に手を突っ込んで、コンドームを一つ取り出した。


 ナツが、いつの間に、という顔をしたから、


「準備いいだろ?」


 と言うと、ナツは『もうっ』と言って、笑った。


 俺はナツのこの顔が好きだ。


 俺も自然と笑顔になれる。


「ナツ……大好き。超好き……」


 心からそう言って、俺は、ゆっくりとナツの中に埋まった。


 ナツの中は、凄く熱くて、でもその熱さは、気持ちよかった。

 その感触を噛み締めて、俺は大事に大事に、ナツを抱き締めた。


< 107 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop