ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~


 数時間後……


「疲れたー…すっげー腹減ったし」


 昼過ぎに引っ越し作業を始めて、時間を見るともう六時過ぎだった。

 いくらエスカレーターがついているとはいえ、この部屋は四階だ。やっぱり一人で荷物を運ぶのは時間がかかるし体力もいる。


 それにしても、何も食べるもんないし、コンビニ行かねえと。

 あ、でもベッド組み立てねえと寝れないし……


 一人じゃ思った以上にやることが多くて苦戦した。


 とりあえず俺は、今日はベッドを組み立て、コンビニで食料を調達してそれを食べて、風呂に入ってすぐに寝た。





 ピンポーン……


 聞き覚えのないインターホンが聞こえる。


 あ、そういえば俺、引っ越したんだっけ。ここのインターホンってこんな音だったのか。


 ピンポーン……


 また鳴った。誰だ、こんな時間に。


 俺は枕元に置いてあった携帯で時間を見てみる。

 十時ちょっと過ぎ……なんだ、もうこんな時間か。

 そう思いながらまた目を閉じた。




 ナツの声が聞こえる。


「土曜日引っ越しなの?」


 そうだ……ナツと電話で引っ越しのこと話した時だ。


「ごめんね。土曜日は用事で実家に帰らないといけないから……でも日曜日は大丈夫だから、日曜に行くね」


 そう言ってた。だから今日来てくれるんだよな。


「じゃあ、十時頃に行くから」


 うん。分かったー……って……十時!?


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