ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~

 俺はバチッと目を開けた。


 やっべ! 俺としたことがうっかりしてた!

 昨夜までは覚えてたはずなのに、アラームのセット忘れてた!


 俺は飛び起きて玄関に向かった。


「いって!」

 向かう途中でその辺に置いてあったダンボール箱に足の小指をぶつけた。


 ピンポーン……


 もう一度インターホンが鳴る。


「……ちょっと待って。今出る!今出るから……」

 痛さで涙目になって、足を引きずりながら必死に玄関に向かった。



「はい……!」

 俺は必死になりながら玄関のドアを開けた。


 そこには案の定、ナツがいた。


「あ、旬。やっと出てきた。まだ寝てたの?」


 寝起きにナツはかなりの効果だ。今日も相変わらず輝いてます!


「旬……?」


「あ、うん! ごめん! ちょっと寝坊してさ…本当ごめんな」

 現実に戻った俺はとにかくナツに謝った。


「ううん。いいよ。旬、昨日引っ越しだったから疲れてるんじゃない? …あ、お蕎麦買って来たの。お昼に食べよ」

 ナツはそう言ってスーパーの袋を持ち上げて、笑いかけてくる。


 その顔、反則ですから!


「それにしても、ここってうちから本当に近いのね。歩いて二十分もかからなかったし……それに新しいから綺麗だし。旬、いいところ見つけたね」


 ここがナツに好評なのがすごく嬉しかった。


 やっぱり、家賃妥協した甲斐があった。

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