ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~
「あ、それ持つよ。晩飯の材料?」
ナツの手には、スーパーの袋があった。
俺はそれをナツの手から取った。
「あ、ありがとう」
「いいよっ。今日は何?」
俺は、袋の中身を見てみる。
ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎ……
「今日はカレーにしようと思って」
あ、そうか。カレーの材料だ。
「やった! 俺、ナツのカレー好きなんだ」
「そう。よかった」
ナツの笑顔に、俺はメロメロだった。
「じゃ、行こ!」
マンションまであと二、三分の距離だったけど、俺達は手を繋いで帰った。
こうやって、ナツと歩く時に手を繋ぐのは当たり前になっていた。
たったそれだけのことでも、俺は幸せだった。
「もうっ……やっぱり。何よ、これ」
部屋に上がると同時に、ナツが言った。
「ん~……自然現象かなぁ」
「どこが自然なのよ! 旬しかいないでしょ!」
部屋に来てすぐにナツに怒られる。
でも、嫌ではない。
いや別にMなわけではないけど。(むしろSだし)
だって、怒ってるナツも可愛いから。怒ってるとこが可愛いなんて、そういないぞ。
「もー旬! もうちょっとちゃんとしてよね!」
そうやって言いながらも、ナツはいつも片付けをしてくれる。
ナツは可愛い俺の若奥さん。
「しゅーんー! 見てないでちょっとは手伝って!」
俺もちょっと手伝って(ていうか俺の部屋だけど)掃除をした。