ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~


 その後ナツがカレーを作ってくれてそれを二人で食べた。


 そして、風呂に入ってから、久々にナツとセックスした。


 久々のナツの中は、すごく、気持ちよかった。



 腕の中のナツを抱きしめると、ナツの体が、俺の体に隙間なくくっつく。


 この瞬間、俺は生きててよかったと、心から思う。


「ナツ……好きだよ」

 俺は、この言葉を、ナツに何回でも言える。

 何回言っても言い足りないぐらいだ。


「うん……」


 俺が言うと、ナツはいつも頷いて、俺のことをぎゅっと抱きしめてくれる。


 そう言えば、俺はナツに好きって言ってもらったことあったっけ……?


 ふとそう思って、思い出してみる。


 ……ないような気がする。


 俺は、いっつもメールとか電話ででも言う。

 それに対してナツは、今みたいに頷いたり、『何言ってんの』って言ったり、はっきり返してくることはない気がする。メールでさえそうだ。


 ナツは、そういうの恥ずかしがって言わないだけだろうけど、聞いてみたいなぁ…


 ナツのことを見てみると、ナツはいつの間にか、俺の腕の中で小さく寝息をたてていた。


 ……可愛い。


 こうして無防備に俺のそばで寝られるってことは、ナツの俺に対する気持ちなんて、聞くまでもないよな。


 ナツはこうやって俺の腕の中にいるのに、これ以上、贅沢なこといったらダメだな。


 俺は、ナツのことを改めて抱きしめて眠った。




 翌朝、目が覚めるともうすでにナツはいなかった。


 時間を見てみると、もう九時を過ぎてる。


 テーブルの上に、メモが置いてあった。


『よく寝てるみたいだから、先に出ます。
朝ご飯作っておいたから食べてね。
旬もバイトに遅れないようにね。
      なつみ』


 ナツのきれいな字で、そう書かれている。


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