ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~
約三十分後。
ピンポーン……
インターホンが鳴り俺は玄関へ向かった。
玄関を開けると、田中がそこに立っている。
「おー久しぶりー。一年ぶりだなぁ」
「久しぶりーじゃねえよ。ったく、お前いい加減なのはかわんねぇな。つうか普通借りた方が返しに来るだろ。何で俺がわざわざ来ないといけないんだよ」
久々なのに、いきなり文句を言われた。
「まあそう言いながらも田中なら来ると思ったからさ」
「当たり前だろ。これ以上返ってくるのが先延ばしになってたまるか」
「ハハッ。まあ上がれよ」
「えっ……」
田中はあからさまに嫌そうな顔をする。
「何だよ?」
「……俺さぁ、旬が一人暮らししてるって聞いてかなり驚いたんだけどさ、お前のことだから絶対汚いんだろうと思いながら来たんだよ」
なかなか失礼なこと言うな、田中め。当たってるけど。
「別に散らかってないって。ほら」
「えー……あ」
部屋の中を覗いた田中が固まった。
「何だよ。散らかってねえじゃん。つうか、綺麗じゃん」
田中は、目を丸くして失礼なぐらいに驚いているようだ。
「だから言っただろー」
「何、お前こまめに掃除とかしてんのか?」
そう言いながら田中は部屋に上がった。
「いや、俺の彼女がしてくれた」
「彼女? お前、彼女できたのか?」
さっきほどじゃないけど、田中はまた驚いていた。