ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~


『今日会いたい。会えない?』



 今の時間帯なら、ナツは昼の休憩時間のはず。ちょっとしたら返事が返ってくるだろう。


 ……と、十分弱ぐらいでナツの着うたが鳴った。

 メールを開いてみると、



『ちょっとだけなら…会うだけね?』


 そう書かれていた。



「先輩! 会えます! 会えますって!」

 俺は感激で思わず先輩に報告した。


「ああそうかい。よかったな。俺には全っ然関係ないけどな」

 先輩はめんどくさそうにそう言う。



 ナツに会えると思っただけで、俺のテンションは急上昇した。

 これだけ俺のテンションを変えることができるのは、ナツしかいない。



 ナツはいつも俺が会いたいと言うと、都合が合う限り会ってくれる。で、大体お泊りコースになる。


 ナツは平日にお泊りは嫌らしい。

 まあ、確かに次の日に仕事だとしんどいのだろうけど……


 でも、俺は我慢できない。だって我慢できないお年頃なんだもの。

 特にナツに対してだと、理性がきかなくなる。


 そんな俺を、ナツはいつも受け入れてくれる。


 ナツは、俺の期待を裏切らない。そこもナツの魅力的なところだ。





 今日は四時でバイトが上がりで、俺はすぐに家に向かった。


 ナツが帰ってくるまでまだまだ時間がある。


 小腹がすいた俺は、途中でコンビニに寄った。

 軽く食べるものを買おうと思ったけど、俺の目についたのはビールだった。


 目に入ると、無性に飲みたくなった。


 今日はテンション高いから、飲んじゃえ!


 そう思って、俺は缶ビール一本と、つまみを買って家に帰った。


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