ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~



 そして、約一時間後……



「ちょっと……何よこれぇ!?」


 部屋にやってきたナツの第一声はそれだ。


 いつもと同じ、ナツの声……


「あ、ナツ~」

 ほろ酔いで部屋に寝転がっていた俺は、ナツに向かって持っているビールの缶を手の代わりに振った。


「ちょっと旬! 何でこんなに散らかってるのよ? 一昨日片付けたばっかでしょ!?」

 ナツは怒った声で言いながら、ゴミ袋片手に俺の部屋のゴミを片づけていく。


 二日前にも同じこと言われた。それは、俺の部屋が二日前と同じ状態だからだろう。


 俺は別に散らかしてるつもりはない。本当にそうだ。

 なのに、部屋は自然と散らかっていく。不思議なもんだ。



「もーっ! なんでゴミはゴミ箱に入れないのよ! いつも言ってるでしょ!」

 そう言いながらナツは次々と片づけていく。


 そんなナツを俺は下から見上げていた。


「全くもうっ……よくこんな所に寝てられるわね!」


 見上げていると、ナツのスカートがヒラリとゆれて、チラチラと太股が見える。

 もう少しでパンツが見えるのに、ここからだとなかなか見えない。


 俺は、ナツに気付かれないようにナツの後ろに近付いていった。


 あとちょっと………見えた!


「あ、今日のナツ、パンツ黒~♪」

 しかもレースで超セクシーだ。


「やだっ……ちょっと、もうっ! 旬!」

 ナツは慌てた様子でスカートを押さえて俺から離れた。


「ナツってばやらしー。あ、そのパンツって俺のため?」

 ちょっとからかうつもりで俺は笑って言った。


「知らない!」


 ナツは俺に背中を向けた。

 耳まで真っ赤になってるのが俺には分かった。


 本当にもう。可愛いんだから。

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