ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~
「ナッちゃ~ん」
たまらず俺は後ろからナツに抱きついた。
「きゃっ……!? 何、旬!」
ナツが驚いて反応する。
「しよ?」
俺はナツの耳元で言った。
何を、なんて、言わなくたってナツには分かるはずだ。
「えっ……」
分かってるからこそ、ナツはこんな反応を見せる。
「き……今日は会うだけでしょっ! 明日、会社だってあるんだし……」
予想通りのことをナツは言う。
でも、ナツは俺の期待を裏切らないはずだ。
「旬っ……放して。今、掃除してるんだから」
ナツは俺の腕を解こうとするけど、そうはさせない。
「ナツのパンツ見たら発情しちった」
俺は腕にそっと力を入れてぴったりとナツにくっついた。
「一回だけ……」
俺は、ナツの首筋にキスをして、ナツのおっぱいを掴んだ。
「ダメだってば……あっ」
『ダメ』と言いながら、ナツはいつもの、俺しか聞けない声を出した。
「ナツ……」
ナツにキスをして、俺はそのままいつものようにナツに埋もれていった。
気付いたらもう朝だった。
「……あれ。ナツ、もう起きたの?」
目を覚ましてみると、ナツはもうすでに服を着て、化粧をしていた。
「だってもう七時よ。旬も起きなくていいの?」
ナツは鏡に顔を近付けながら言った。
七時か……
「ん~……今日バイト昼からだし、まだいい。だるいし」
俺はまだ少し眠くて枕に顔を埋めた。
「……そう」
まだ寝る時間あるのに、早くに目が覚めてしまうと、なんだか損した気分になる。
あ、でも今朝は早く起きないとナツに会えないところだったからよかった。
「あれ……ナツ、掃除したの?」
部屋を見てみると、昨日ナツが途中で掃除をやめた(俺がやめさせたんだけど)はずなのに、なぜかきれいになっていた。
「うん」
ナツは頷いた。
「あ、朝ごはん作ったから、食べたかったら食べて」
続けてナツがそう言った。