ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~

 一体ナツはいつ起きてるんだろう。


 いっつも俺が早いつもりで起きても、絶対にナツの方が早いし、今日なんて掃除と朝ごはんを作る時間があったなんて。



「ちゃんとラップはゴミ箱に捨てるのよ?分かった?」


「うん」

 ナツに言われたことに、俺は頷いた。


 ナツは、鏡の方をじっと見て、口紅を塗っている。

 俺はそれをじっと見た。


「何? 旬」

 ナツがチラッとこっちを見た。


「ん~……女の人が口紅塗るところって色っぽいなぁって思って。でもナツのは他の人の三倍キレイ」

 俺は思った感想を言った。


「もう……何言ってんの」

 ナツはそう言って軽く笑った。


 女の人が口紅を塗る仕草は、その人の女らしさが強調されると思う。特にナツの仕草なんて、女の人のセクシーさを凝縮したような感じだから、ものすごくいい。

 それに、唇に意識が集中するせいなのか、すごくそこがセクシーに思えて、すごくキスをしたくなる。

 勿論、ナツとならいつでもどこででもしたいのは当たり前だけど。



「あ。ナツ、今日、チューしてないよ」

 俺はちょうど思い出して、ナツに言った。


 俺としたことが、肝心なことを忘れるところだった。


「チューしよっ」

 俺はベッドから下りてナツのそばに寄った。


「もう……リップ塗ってから言わないで」


「一回だけ一回だけ♪」

 そう言って、俺はナツの唇にキスをした。


 ゆっくりゆっくり時間をかけて、ナツを味わっていく。ナツはもう歯磨きをすませていたらしく、ミントの歯磨き粉の味がした。



「もう……リップ塗り直さなきゃ」

 唇を離すと、ナツはクールに言って鏡の方を向いた。


「ナツ~」

 俺はほんの悪ふざけのつもりで後ろからナツに抱きついた。


「きゃっ!」

 ナツは予想通りの可愛い反応をした。


「旬! 離してっ。リップ塗れないでしょ! ……やだ、ちょっと! どこ触ってんの!?」


 太股と腰に触っただけで、ナツは敏感に体を震わせる。

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