ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~
あ、そうだ! ナツに聞けばいいんだ!
思いついて携帯を手に取ったけど、それはダメなことに気付いた。
ナツに頼ってたら、意味ないじゃん。大体……ナツに連絡しても、返ってくるかも分からないのに……
「はぁ……」
握りしめた携帯を見て、俺はため息をついた。
それから二日しても……ナツとは全く連絡とれないままだった。
昨日も一昨日も、何回も何回も電話して、メールしたのに、ナツからの返事はない。
今日なんか、電話も通じなくなってしまった。
着信拒否までされてしまったのだろうか。…いや、でもナツの携帯にかけて聞こえたのはその時のアナウンスじゃなかった。だから多分大丈夫だ。少なくとも、メールは届いてるはず。ナツが見てるかは分からないけど……
これも初めてだ。ナツと連絡しない日が続くなんて。
今まで、一日だってナツと連絡したことのない日なんてなかった。
俺が連絡すれば、ナツはいつも出てくれた。それが、なくなっている。
でも、ナツから連絡があるのが怖いとも思ってる自分がいる。だって、次ナツから連絡がくるのは、別れたいという話かもしれないから……
本当に、真っ白だ。ナツとうまくいってないってだけで、見える世界がちがう。全部が真っ白で、全部が味気なくて、全部がつまらない。
ナツがいるだけで、俺の世界は変わって、ナツがいなくなっただけでも、世界は変わる。
ナツに出会う前までは、そんなことなかったのに……
きっと、ナツに出会って、知ったからだ。居心地のいい、充実した世界を……
だから、俺はもう、ナツなしではだめなんだ。
会いたい。会いたい会いたい会いたい。
『ナツに会いたいよ』
ずっと、ナツには謝りと、連絡ほしいってメールだけ送っていた。
ここで初めて、俺は一番の気持ちをメールで送った。
ナツに会いたい。
会って、顔を見て、ちゃんと謝りたい。そしてできるなら、許してほしい。
もうナツに嫌な思いさせないように約束するから。
だから、別れるなんて言わないで。