ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~


 その後、友達とは別れて、ミキと二人で帰った。手を繋いで歩いていた。


 ミキとは、高三の夏に告白されて付き合い始めた。


 うちの学年一可愛くて、性格がよくて、スタイルがよくて(特にDカップのおっぱいは素晴らしい)モテるミキ。


 お互い受験生だし、周りには受験が原因で別れた奴らも多かったけど、俺達は順調にやってきた。


 そして、それはこれからも続いていくんだと思っていた。



「ミキ、マジでよかったなー。俺、何か自分のことみたいに嬉しい」

 俺はその時の気持ちを素直に、ミキに言った。


「うん……ありがとう」

 ミキはそう言いながら、複雑な顔をしていた。


 やっぱり、俺がダメだったから、喜びにくいのだろうか。


「これからどうする? あ、どっか店入ってミキの合格祝いしよ!」

 思い付いたことを、俺はそのまま言った。


 でも、ミキは黙って首を横に振った。


「ううん…今日は、親がお祝いするから、すぐ帰ってきてって言われたの……」


「あ…そっか」

 その言葉が、少し残念ではあったけど、俺はしょうがないとすぐに思い直した。


 ミキの親だって、ミキのことを応援してたはずだから、今日は、家族水入らずでお祝いしてほしいのも、本心だ。


「旬の合格決まったら……二人でお祝いしようね」


「うん」


 ミキが笑ってそう言ってくれたから、俺は全く自信ないのにも関わらず、はっきりと頷いてしまった。



 そして、数日後。

 郵送で大学の合否通知が届いた。


 薄っぺらいハガキで一枚。


『本学の入学試験の結果、あなたは不合格と判定されました』


 素っ気なくたったそれだけ書かれていた。


 この前と同じように、特にショックではなかった。結果は分かってたし、元々滑り止めのとこは、担任に受けておいた方がいいと言われて受けただけで、行きたかったわけではない。


 そして、俺は不合格だったという結果をミキに電話で伝えた。

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