ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~
色々考えながらふとカオルを見ると、カオルはにんまりと笑ってあたしを見ていた。
「で?」
カオルは身を乗り出すようにして、そのにんまり顔をあたしに近付けてきた。
「で? って……何」
あたしはなんだか心の中を見透かされているような気さえしながら、必死に平静を装った。
「何ってことはないでしょ~。昨日の人だったんでしょ?」
本当に見透かされてる……
「何で分かるの?」
「顔見てたら何となくね。だって奈津美、電話で話してる時、表情違ったもん」
「え……」
「ほら、また赤くなってる~」
「なっなってないし!」
からかうカオルに、ムキになってそう言ったけど、顔を押さえると本当に熱かった。
「もういいでしょ! そろそろ戻ろ!」
あたしはその場から逃げるように席を立った。
「ふ~ん? 別にあたしはいいけど。後でまとめて話聞いた方が。ねえ?」
一体カオルの中ではどれぐらい話が進んでいるんだろう……
後で無理矢理白状させられると想ったら、気が気じゃなかった。
…ていうか、こんなんだったら、会いづらいよ……