ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~
「ううん! 全然! 言ったろ? 俺、暇だから。それより、ナツ。今日はもう帰るの?」
「うん。そうだけど……」
何故だかテンション高めなシュン君に聞かれ、あたしは頷く。
「じゃあ、送ってくよ」
笑顔で、とても自然に言われ、あたしは一瞬何を言われたか分からなくなった。
「えっ……」
帰るの? 二人で?
「そんな…いいよっ! わざわざここまで来て貰ってるのに、そこまで……」
ただでさえ会うことに躊躇してたのに、いきなり二人でなんて、どう接して何を話したりしたらいいのか分からない。
正直言ったら悪いけど、勘弁してほしい。
「送るよ。もう暗いんだから女の人は危ないし。…ていうか、俺が送りたいだけだけどさ」
なのにシュン君は、少しはにかんだ表情でそう言った。
あたしは何だか恥ずかしくて、下を向いた。
どうしよう……あたし、一瞬『キュン』ってしちゃった。
だってちょっと可愛かったし……
でも、これじゃあ……
「じゃあ……うん。お願いしよう…かな」
こうやって頷くしかないじゃない……
ああ……あたし、本当に流されっぱなし……
ちょっと泣きたい気持ちになった。