ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~

 目の前にあるダウンは、全部デザインは一緒で色は、黒、カーキ、茶色、紺があった。


「今のとは違う方がいいんじゃない?」


「やっぱそうだよなー。ナツはどれがいいと思う?」

 ぶっちゃけ、どれでもいい俺は、ナツに聞いてみる。


「んー……」

 ナツは、首を傾げて考えるような仕草をすると、ダウンを一着ずつ手に取って俺に合わせていく。


 合わせてはうーん、と唸って首を傾げ、それを戻して、違うのを取って合わせて……それを繰り返している。真剣そのものの表情だ。


 なんかいい!こういうの!すっごいデートっぽい!(いや、デートだけども)


 ていうか、ナツが俺のために考えて選んでくれてるっていうのがすっげー嬉しい!


「紺かなぁ……」

 しばらく悩んだ後、ナツは言った。


「じゃあ、紺にする」

 俺はすぐ決めた。


「えっ…いいの?」

 ナツは目を丸くしている。


「うん。紺がいい」

 ていうか、ナツが選んだ色がいい。


「そう……?」


 さっきまではどれも一緒に見えたのに、ナツが選んだ途端に、紺色のダウンが他とは違って輝いて見えた。


 このダウンは絶対大事にする!


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