ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~
「旬君、飲み物ココアにしたの?」

 ナツは俺のカップを見て言った。


「ケーキだったら普通コーヒーか紅茶じゃない?」

 そういうナツのカップには、紅茶が入っていた。


 ここの飲み物は、ドリンクバーになっていて、あったかい飲み物はコーヒーと紅茶とココアがあった。それで俺はココアを選んだ。


「俺、ココア好きだから。ケーキの時でも普通にこれだよ」

 ケーキとココアは、俺には当たり前の組合せだ。他の人はあんまりしないみたいだけど。


「それに俺、紅茶はともかくコーヒーは飲めねぇの」


「そうなの? 苦いからダメとか?」


「それもあるけど、飲んだら腹壊すから。多分、合わねぇんだな。飲むんなら、砂糖三つと半分以上牛乳入れないと無理」


「えー? そんなのもうコーヒーじゃないよ」

 そう言いながらナツは笑った。


「本当に甘いの好きなんだ。珍しいね。男の子でそんなに甘いもの好きって」


「みたいだよな。俺の周りも嫌いなヤツ多くてさぁ。男同士ではこういうとこってめったに来れねぇし、今めちゃくちゃ嬉しいんだ」

 ナツも一緒だし。と心の中で付け足した。


「そっかぁ。でも、そんなに甘いのばっかりだったら体に悪くない?」


「全然!それよく言われるけど、俺、虫歯ですら一回もなったことねぇの。病気も全然したことねぇし」


「へぇ……すごいね」


 これは本当に自慢だ。生まれてから一度も風邪だってひいたことがない。

 バカだからひかないって周りによく言われるんだ。


「でも次はメシ系取ってこよっかな。ナツは何のヤツ食べてんの?」


 俺の皿の上のケーキはあと一つになっていた。ナツの皿を見ながら聞いた。


「カルボナーラと……パスタは他にも色々あったよ。それと、ハムサンド」


「ハムサンド? いいなっ。俺ハム好きなんだ。あとで取りに行こっ」

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