ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~
とりあえず、一度家に帰る。
ナツとは、五時にナツの会社の前で待ち合わせということになってる。だから、重たいアルバムとか卒業証書を一度置きに戻ったのと、いるものを取りに戻って来た。
「ただいまー」
そう言ってリビングへ行くと、母さんがワイドショーに食いついていた。
「あら、おかえり。早かったのね」
母さんはそう言って、ちらっと俺を見ただけですぐにワイドショーに視線を戻した。
「うん。またすぐ出るけど。昼飯は?」
もうすぐ三時だけど、呼び出しをくらったせいで遅くなって、まだ食べてない。流石に腹が減ってる。
「チャーハンが残ってるから自分で温めて食べて」
息子のために動いてくれるような気配はないから、俺は言われた通りに自分でやろうと台所に向かった。
「あ、母さん。俺、今日は泊まりだから」
忘れる前に伝えておく。どうせダメだとは言わないだろうし。
「はいはい」
案の定の返事が返ってきた。
いつもとは変わらないけど、何か、俺が専門学校に行くのをやめるって言ってから、軽く見放されてる気がする。
まぁ、別に気にしてないけど。
チャーハンを食べたあと、俺は自分の部屋に行き、泊まりの準備を始めた。
着替え……は、いいや。制服で行こう。スウェットだけ持ってくか。
俺は、プリントとか文集やらの冊子とか、鞄の中身を取り出していった。紅白饅頭を見つけたから、それは開けて食べる。
食べながら、空になった鞄に、その辺に落ちてたスウェット上下を押し込んだ。
あとは何もいらないか。どうせコンビニ寄るし、そん時に買えば十分だ。
楽しみだなぁ……
時間が経つ度にその気持ちは強くなっていった。