ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~

「……旬。あんまり見ないで」

 ナツが恥ずかしそうに言った。


「いやー。やっぱり女の人の部屋だなーって思って。すっげー綺麗だし」


「そう? よかった。掃除して……」

 ほっとした様子でナツは言った。


 そう言いながらも、ナツのことだから、普段からちゃんとしてそうだけど。


「じゃあ、すぐに準備するからね。あ、包むの手伝ってくれるんだったら、手、洗っといてね。廊下出て右側が洗面所だから」

 ナツはスーパーの袋から材料を取り出しながら、そう言った。


「うん。分かった」

 俺は、ナツに言われた通りに、洗面所へ向かった。


 洗面所は、脱衣所と一緒になってるみたいで、すぐ横には風呂があった。


 そこでふと思った。


 今日、泊まりってことは……もしかして、ナツと一緒に風呂にも入れちゃったりするかもしれないのか!?


 てことは、体洗い合ったり、一緒に湯船浸かったり、あんなことしたり、こんなことまでしちゃったり……


 俺の妄想は膨らんでいく。頭の中に、リアルなナツの裸まで浮かんだ。


 すっげー楽しみ!


 まだ一緒に入るとは決まってないのに、俺(と俺の下半身)は、張り切りまくっていた。


 手を洗って部屋に戻ると、ナツは台所で挽き肉をこねていた。

 俺に気づいたのか、すぐにこっちを向いた。


「ねぇ、旬。餃子なんだけど、そっちでホットプレートで焼く?そっちの方がパーティーっぽいでしょ?」

 ニコッと笑ってナツはそんな提案をした。


「あ、いいな、それ。そうしよ!」

 俺はすぐに頷いた。


「じゃあ、もうちょっと待っててね。すぐ持ってくから。テレビでも見てて」


「うん」

< 92 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop