ダメ男依存症候群 ~俺は彼女に中毒症状~


 俺は、ローテーブルの横に用意されていた座布団に座って、テレビをつけた。

 ちょうどゴールデンタイムだったから、テレビに映ったのは人気のバラエティーで、俺はそれを見始めた。


 でも、タイミングが悪かったのか、すぐにCMに入ってしまった。


 何となく、部屋を見回してると、ふとベッドに視線が行った。


 白いシーツに、薄いピンクのかけ布団と枕。

 シンプルだけど、女の人のだとすぐに分かるベッドはシワ一つなく整ってる。


 あと何時間かしたら、俺とナツはそこに居んのかな……


 今度は、前にホテルで触れた、リアルなナツの感触まで蘇ってきた。


 ヤバい……ナツの部屋のものって全部(っていっても、風呂とベッドだけど)エロい妄想に繋がる。

 でも、正直飢えてるから、しょうがない。



「旬」


「うぉ!?」

 後ろからナツの声が聞こえ、俺の心臓が跳ね上がった。


「何? どうしたの?」

 振り返ると、お盆を持ったナツが目を丸くしていた。


「いや! 何でも!」

 俺は首を横に振って目一杯で否定した。


「そう?」


 首を傾げながら、ナツはお盆をローテーブルに置いた。


 お盆の上には、ボウルが二つと、餃子の皮と、皿が乗っていた。


「この二つって違うの?」

 俺はボウルを指さしてナツにきいた。


「うん。こっちが、ニラと白菜ので、こっちは、大葉とネギ」

 ナツは一つずつ指さして教えてくれた。


「大葉? 大葉って、シソだよな?」


「うん。あ……もしかして嫌いだった?」


「ううん。嫌いじゃないけど……でも、餃子にシソって食ったことない」


「そうなの? これ、さっぱりしてて美味しいんだよ」


「へー……楽しみ」

 ナツのちょっと珍しい具材に、俺は興味津々だった。
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