美加、時空を越えて

第２の扉～戦国時代～

扉を開けると、そこは戦場だった。

沢山の兵士が敵と味方に分れ戦っている。

(この戦いを出来るだけ血を流さないでおきたい)

美加は、死んでいった兵士の傍らに落ちている刀を拾い上げた。

切りかかって相手の体に届く寸前で刃を返しながら（斬られた）と思い込ませていった。
（手加減しないと骨折させてしなうかもしれない）
そう思った時、兵士の感情が美加の中へ流れてきた。

（まだ死にたくはない。死ねない。
俺が死んだら家族はどうなる）
他の兵士が美加に向かって切りつけてきた。
かわしながら相手の身体にふれたとき（切られるわけにはいかない。絶対に切る）
と又　感情が美加に伝わった。
切迫したぴりぴりとした空気だ。

少しでも躊躇っていると
すぐ他の兵士に切りつけられそうになる。

（自分を守るだけで必死なんだ。
敵が何を思っているかなんて事は、考える余裕もない）

美加はなんともいえない虚しさを抱えながら、
それでも、峰打ちで兵士たちと合い交えていた。

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