美加、時空を越えて
もともとわしの母じゃは 敵方の妹。
家来たちは、2つに分かれ、私はまたしても命を狙われた。
自分の身は自分で守るしかなかった。
ゆっくりと眠ることも出来ず、不安と恐れにさいなまれていた。

相手を殺さなければ私が殺される。

毎日同じ夢を見た。
肉片があちらこちらに散らばっている。
血のにおいと真っ暗な者。
何か分からない得たいの知れない者たちが、わしを追ってくる。
逃げても逃げてもその物達は追ってくる。
わしは殺される。

自分の身は自分で守る。

それが出来ないものは臆病者だ。

わしは臆病者ではない。

支配者だ。
誰にもわしには指1本触れさせぬ。
もし、万が一にもわしが負けるようなことが、あったら わしの命がない。
しかしそのような事はない。

決して有り得ない。

わしは天下をこの手におさめ、みなをひれ伏させる。

それがわしの努めじゃ。

誰にも文句は言わせぬ。


この武将は……。

……私だ。生まれてすぐの悪人はいない。
彼の環境が残忍さを生み出した。
そう気がついたとき、美加の心に隙が生まれた。
美加は、武将に剣を咽喉元に突きつけられた。

武将は、美加の咽喉元に剣を突きつけながら、
家来に2人の子供に首をはねつけるよう命じた。

2人の子供の頭が地面に落ちた時、美加は、耐え切れなくなった。


そして、その場から瞬間移動で逃げ出してしまったのだ。
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