美加、時空を越えて
ある日、美加の上司から呼び出された。

「島君、A商社への請求書、気がついているのかね」
 美加が何の事だか判らずに黙っていると、上司が続けた。
「A商社とB商社への単価が違う事くらい、君だって判っていることだろう。
A商社にB商社での単価での請求書が 送られた。
先方は、かんかんだ。
うちとの取引を白紙に戻すと言って来ている。
会社に取ってA商社は、大事なお得意様だ。
この責任は、どう取るつもりなんだ?
本当に困った事をしてくれたもんだ」

上司は、美加の責任だと、決め付けていて、取り付くしまも無かった。

美加と由香里が 請求書を発行していた。
美加がB商社で、由香里がA商社を受け持っていた。
明らかに 今回は 由香里のミスだ。

しかし。美加の責任となっていた。

(……どういうこと?)





< 28 / 203 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop