美加、時空を越えて
美加は、由香里に問いただした。

「あの請求書は、由香里が出したものでしょ。
どうして、私のせいになっているのよ？」

由香里が、冷たい突き刺さるような目で美加を見た。
「私、あなたが嫌いだから。
あなたを追い出すためなら何だってやるわ」

美加が思わず、言葉を失う。


「……。でも会社が損失を出すのよ……」

由香里がくすくすと笑った。

「そんな事、知ったことじゃないわ。
大体、あれは、私とA商社の担当者との狂言。
ちゃんとA商社には　間違いない方が送られているわ。
そうそう、美加、もうそろそろ、『自己都合で辞めてくれ』って言われると思うわ。
こんな不景気な時代に3流の大学しか出ていない貴方に行く所なんてあるのかしら？」

「いい気味」

そういい残すと、由香里は、部屋を出て行った。

後に残された美加は、茫然とそこに立ち尽くした。

まもなく、会社から美加は　『責任を取って自己都合退職で辞めるように』と、言われた。
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