美加、時空を越えて
やるべきことがある。
守に逢う。
絶対に守を死なせてはならない。

強い決意が生まれた。

守の事が思い出せれた。
暖かな気持ちがよみがえってきた。
守は優しい人だった。
美加だけでなく誰に対しても優しかった。
ボランティアで行く老人ホームのお爺ちゃん、お婆ちゃんにとても親切で労わっていた。
私が死ぬべきではなかったのか?
守の方が皆に親切だ。
守は、この世界に必要な人だ。
私なんかよりも……。
神様は間違っている。
あの時、私が、あの崖から足を滑らせて、守が私を助けることがあと1秒でもおくれていたら……。
こんなに慕われている守の命を神様はどうして奪ったのだろう。

傷ついた鳥の手当てをしたり、車いす磨きも一生懸命だった。

特に美加に対して優しくて、美加の望みは全てかなえていた。
どんなに我がままを言っても聞き入れてくれた。

守が仕事で疲れていても 私が、
「ドライブに行きたい」と言えば、嫌な顔もせずに連れて行ってくれた。

お母さんと由加なんて、「お姉ちゃんに振り回されて、守君が可哀想」とか言っていたよね。


……。もう少し……。優しくしてあげれば良かった……。
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