美加、時空を越えて
人って失ってみて初めて大切さがわかるんだよね。
今でも胸にぽっかり穴が開いている。
まして私のせいで死んだんだ。

今日はやけにセンチメンタルだな、
又、涙がこぼれてきた。
うずくまって泣きながら、それでもいつもの強気な美加に徐々に戻ってきた。

3番目の扉の向こうは、重力がものすごく、 立つ事も腕を伸ばすことも出来ないはずだ。
這いつくばりながら少しずつ戸口へ向かうしかない。

美加は、意を決すると、3番目の扉の前に立った。

扉は押しても引いてもびくともしない。
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