美加、時空を越えて
その光が、徐々に失われていくのを感じた。

冷たい物が美加の頭に当たった。
（雨？）
水が美加の頭に降り注いだ。
だんだん勢いが増していく。

降り注ぐ水は、何処にも吸い込まれずに濁流となり始めている。
美加は、空中に浮かんでいたが、水は、みるみるうちに首まで浸かった。
鼻まで水が来た時、美加の足は何かに引っ張られた。
（えっ？何？）
一瞬動転したが気を取り直すと、美加は頭を上に向けると息を大きく吸い込んだ。
息を止めて水の中を潜ると、美加の足の所には何もなかった。
引っ張られる感覚もなくなり、美加は泳ぐことが可能となった。

しかし、水は波となった。
大きな波が美加を襲った。
その波に飲み込まれないように気をつけながら、美加は頭を水の外に出し、立ち泳ぎをした。
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