美加、時空を越えて
光「どうもこうも無いんだ。
おばあさんの足にメスを入れるなんてきちがいざただ。
この世界の人たちが助けられなくても僕なら助けられる。
痛みでくるしんでいる人を見て見ぬふりをするなんて、僕にはできない。
この世界の歴史を変えるかもしれない事は承知の上だ。
でも僕には・・・
今僕がした事は間違っているとは思えない」

いつになく強い口調で守が言うと、車を走らせた。
運転が乱暴だ。
気まずい空気が車内に流れていた。

瞳の家に着くと、どこからか光は、テキーラを持ってきた。
テキ-ラとグラスを2つ、テ-ブルの上に置いた。
光「つきあってくれるかい?」
いくぶん気持ちは収まったのか、いつものやさしい口調に戻っていた。
テキーラをグラスに注ぐと光はぐいっと飲み干した。
立て続けに3杯飲んで、光は、下をむきうなだれた。
美加は、光をやさしく抱擁すると、子供にするように頭をなでた。
光「ありがとう、もう大丈夫だ。
でも今日は瞳の顔は見たくない。
僕が落ち着くまで声をかけないでくれ」

その日、瞳は帰って来なかった。
次の日の昼頃、瞳が帰って来た。
瞳「光は?」

< 99 / 203 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop