私のスーパーマン
キューピット
何度か食事を重ねた頃、彼は私に相談があると言った。
「えっと…、言いにくいんだくどさ、早紀ちゃんって付き合ってる人とかっている?」
「え…?」
私はなぜか心臓をぎゅっと握られた気分だった。
いや、私は彼を好きだけど好きではないんだ。
偶然会っているだけだ。
自分とは違う世界の人。
遠くにいる人。
私は無意識に自分に言い聞かせた。
「こういう事を言っていいかわからないんだけど、遥が早紀ちゃんを好きなんだよ。」
祐樹さんは遥くんを本当の弟のように可愛がっていて、よく遥くんを知っているようだ。
その様子は試合でもわかる。
私は彼の一言に一瞬ほっとした後、自分の親友が両思いな事に対し、自分の事のように喜んだ。
「本当に…?
早紀、私の憶測ですけど高校生の頃から遥くんを好きですよ!
でも遥くんに告白しないのかと言ったら、この関係を壊したくないって言ってました…。」
「そうなのか…。
同じ事を遥も言っていたよ。」
「ふふ、二人って本当に似たもの同士ですね。」
私は決心した。
「一緒に遥くんと早紀の恋のキューピットやりませんか?」
祐樹さんは子供っぽい笑みを浮かべ、
「やろうか!」
そう言った。