パラドックスガール
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「すっごく素敵なお兄さんじゃない!」


部屋のドアを閉めた途端、凛子はそう言った。
あたしはテーブルに麦茶の入ったガラスコップを三つおきながら「そう?」とだけ答える。
コップをおき終わって立ち上がった瞬間、凛子に両肩を掴まれた。


「何あれっ、なんであんなに綺麗なの!?」


「ちょっ、知んないよそんなの。ていうか綺麗より格好いいのが喜ぶと思うけど。」


とにかく両肩掴んで前後に揺するのやめて。
視界がぶれて目が回る。


「いいなーあんなお兄さん欲しいー。」


「欲しいならあげるよ。」


羨ましがる凛子にあたしは投げやりに答えて、ベッドにダイブした。


「…茗子、あんたもしかしてお兄さん嫌い?」


凛子がゆっくり確認するように尋ねてきた。



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