パラドックスガール
.





「…なんか茗子の周りってすごいね。」


二人が出ていった後、呆けていた凛子が静かに口を開いた。


「美形揃いの中にいるなんて、茗子ちゃんすごいね。」


珠希が尊敬の眼差しであたしを見て言った。




「すごくなんかないよ。」




あたしは薄く笑い、そう答えた。


「すごいのはあいつら。
なんでも笑いながらそつなくこなせちゃう。
あたしはおいて行かれるのが嫌だから、離れるのが嫌だから、ただ必死にもがいてるだけだよ。
すごい人たちの中で守られて生きるのが嫌だから、必死にあいつらの横に並ぼうとしてるだけだよ。」


言い終わって珠希と凛子の顔を見ると、なんだか悲しそうだった。
あれ、あたしちゃんと笑って言えてなかったのかな。




「すごすぎてあたしには無理だから。」




そんな逃げみたいな理由、嫌い。
あたしの人生なんだから、あたしはちゃんと自分の足で歩いてくよ。








ただ守られて生きるなんて、そんな退屈に耐えられるあたしじゃないから。







To be continue...



.
< 22 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop