パラドックスガール
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「ねぇ、そんなに玲央っていい男?」


休み時間、お菓子を広げてポッキーをくわえながら聞いた。
凛子と珠希はそれぞれお菓子を摘みながら、あたしを凝視した。


「…何?」


やけに凝視してくるので、首を傾げてみせる。


「茗子ちゃん…今頃気づいたの?」


珠希がそれこそ不思議そうに尋ね返し、口にビスケットを運んだ。


「いい男じゃん。頭よし、運動神経よし。
笑顔可愛いし、眼鏡が萌ポイントだし。
それに何より真っ直ぐだし?」


凛子がポテチを摘みながら携帯片手に言う。


「…真っ直ぐ。」


あたしはお菓子に手を伸ばしながら復唱した。


「毎日毎日茗子にラブコールしてんじゃん。
あれ見てるとさ、いいなぁって、羨ましいって思うのよ。
この日本にそんな外国人みたいな愛情表現する人あんまりいないし、愛されてるってすごくわかるもん。」


「…。」


そうか?そうなのか?
あたしはかなり迷惑してるんだけど。



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