パラドックスガール

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「…近くにいすぎて気づいてなかったとかじゃないかな？」


「まぁ…それもあると思うけど…。
そうか、みんなはああいうのがいいんだ。」


「…なにその今理解したみたいな言い方。」


「や、あれが日常になると脳が麻痺しちゃうんだなぁと思って。」


「…香坂君が可哀想ですね……。」


珠希がまたビスケットを口に運びながらさめざめと言った。


「…てかさ、食べずにちゃんと聞こうよ人の話。」


「なんで茗子の話聞くためにお菓子放棄しなきゃいけないのよ｡」


「休み時間すぐ終わっちゃうし、ほら、茗子ちゃんも。」



「…。」


珠希はそう言ってあたしにポッキーを差し出してきた。
要するに、あたしは凛子の中でお菓子以下の存在なのね。
ちょっと悲しくなりながら、とりあえず珠希の差し出したポッキーを加えた。



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