パラドックスガール
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あっ、と休み時間に三人で話していたことを思い出す。


「玲央ー。」


あたしは玲央の背中にもたれる。


「なにー?」

玲央も返事をしながら背中をあたしのほうへ反らしてきた。
背中から伝わる音の振動と、人間の感触。


「玲央はかっこいいんだってさー。」


「ふーん。」


「…。」


ふーん、て。
それだけ?


「もっときゃーとかわーとか、動揺したり喜んだりしないの?」


更にもたれかかり、尋ねた。


「そんな反応期待してたの?」


「うん。」


思ってた反応と違いすぎる。面白くない。


「だって、茗子が言ったんじゃないんでしょ?」


「へ?」


何?あたし?


「別に誰かにかっこいいって言われても、動揺したり喜んだりしないよ。
茗子が本当に僕のことかっこいいって思って言ったんなら、すごく喜ぶけど。」



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