パラドックスガール
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一通りスルーして、すぐそこに教室が見えた。
放課後教室の外に出歩いてても、いつも玲央は戸口にいた。
なのに今日はまだいない。
携帯を開けて時間を確認、とっくにショートは終ってる時間。


「…あぁ、職員室寄るとか言ってたっけ」


思い出し、呟く。
なんであんな場所に用事なんてあるのだろうか。
そんなことを考えながら、いつも玲央がいる位置に着く。
にぎやかな部活の声、風に揺れる木々。
ゆっくり流れる時間が、とても愛しく思えた。







「でさー、あいつ、羽田野。」


「!」


突如あたしの世界に入った雑音。
その会話にあたしの名前が入ってなかったら、完璧スルーだったのに。


向こうからやってきた男子生徒二人は隣の教室に入っていった。
だが、静かな放課後では彼らの会話は筒抜け状態。
よく聞こえてしまった。



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