パラドックスガール
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「圭吾君ってさ、玲央のこと大好きだよね。」


「嬉しくない。」


茗子の言葉に僕は眉間に皺を寄せた。


「どうして?好意を持ってもらえるのって素敵なことじゃない?」


「素敵なことだけど、その言い方だと圭吾が同姓愛者に思われるからやめてあげて。
…それに、一番好きって言ってほしい人に言ってもらえなきゃ意味ないでしょ。」


「まぁそうだね。」


ため息まじりにそう言うと、茗子は上手にかわした。
別にいいけど、もう慣れたから。
でも、


「…茗子は圭吾のこと、好き?」


呟くように尋ねる。


「圭吾君?友達として好きだけど。
彼氏としては却下。軽そうだし。」


「…そっか」


「玲央?」


「変なこと聞いてごめん。行こ。」


彼女の聞き返しに適当に答え、僕はカバンを取りに教室に向かう。
茗子がもう一度「玲央っ」と呼んだのが聞こえたが、僕は振り返らなかった。



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