パラドックスガール
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後ろからの指摘に、あたしはタコさんウインナーを口に運ぶ手を止める。
珠希が「あ」と小さく言い、凛子が「あーっ!」とフォークを向けて大声をあげた。
「玲央、どうしたの?」
あたしは指摘を受けたタコさんウインナーを口に放り込み、フォークを口に加えたまま振り返り、声の持ち主に尋ねた。
「今日一緒に帰れるか聞くの忘れたから。」
「帰れるよ。てか、メールか電話でいいじゃん。」
「茗子に会いたかったんだよ。」
甘いセリフを口にしてにっこり笑う玲央。
普通の女の子ならイチコロだなと、頭の片隅で他人事のように思った。
「ちょっと待った!」
横から大きな声。
耳に響くからやめて。
「何、凛子。」
あたしはそちらを向き、次のタコさんウインナーにフォークをぶっ刺した。
後ろからまた「だから酷いって」と言われたが、しらない。
これはあたしのお弁当だ。
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後ろからの指摘に、あたしはタコさんウインナーを口に運ぶ手を止める。
珠希が「あ」と小さく言い、凛子が「あーっ!」とフォークを向けて大声をあげた。
「玲央、どうしたの?」
あたしは指摘を受けたタコさんウインナーを口に放り込み、フォークを口に加えたまま振り返り、声の持ち主に尋ねた。
「今日一緒に帰れるか聞くの忘れたから。」
「帰れるよ。てか、メールか電話でいいじゃん。」
「茗子に会いたかったんだよ。」
甘いセリフを口にしてにっこり笑う玲央。
普通の女の子ならイチコロだなと、頭の片隅で他人事のように思った。
「ちょっと待った!」
横から大きな声。
耳に響くからやめて。
「何、凛子。」
あたしはそちらを向き、次のタコさんウインナーにフォークをぶっ刺した。
後ろからまた「だから酷いって」と言われたが、しらない。
これはあたしのお弁当だ。
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