穢れなき雪の下で
穢れなき雪の下で
本当のことを言えば、性交は、あまり好きじゃない。
特に、深いキスは苦手。
他人と舌を絡めるなんてぞっとする。

肌に触れるのも、甘い愛撫も必要最低限に抑えたい。

ましてや、アレをソコに突っ込むのは、ゴムがなければ願い下げだ。


でも、血を流している女性を自分の下に組み敷いて悲鳴を聞くのは悪い気分じゃない。



我ながら、趣味が悪いとは思う。
いい加減、こんなふざけた行為、誰かが終わらせてくれればいいのに、と、思わないわけでもない。


――でも。

「お願いします。
 怜様。
 はしたない私にもっとお仕置きしてください」

自ら裸で犬のような格好になり、まだ、みみずばれの残る肌やあられもないところまで全部さらしたうえでそう懇願されてなお、無視できるほど野暮でもない。
< 1 / 38 >

この作品をシェア

pagetop