穢れなき雪の下で
そうやって、ずるずるずるずる。

今日もまた、好きでもない女の悲鳴を聞く。


白い肌に、赤い蝋燭が這っていく。
その色のコントラストは、綺麗だなと思う。

そういえば、この子に蝋燭を垂らすのは初めてだったか。


恐怖に歪む顔。
流れ落ちる、汗と涙。
耐えられなくて、漏れる悲鳴。
震える手足。


嫌なら逃げればいいのに。
逃げ出した子を追っかけてまで襲うほど、俺は堕ちてない。


「そんなに嫌なら止めようか?」

俺の言葉に、彼女は首を横にふる。
彼女自ら買って嵌めている犬用の首輪がじゃらじゃらと音を立てる。


「いやじゃないです。
 お願いします。
 続けてください」

言って、悲鳴を抑えるためか彼女は強く唇を噛む。
きっと、もうすぐ血が滲む。
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